クロッシング:あらすじ ジュニの決断

ヨンスが意図したわけではありませんが、結果的に韓国へ亡命することになったヨンス。ヨンスもひとり韓国で生活することに苦悩していますが、父親の帰りを待つ家族も苦難の日々を北朝鮮で送っています。

ヨンファの身体はどんどん病に冒されていき、ヨンスが残していた食料ももうすでに底を尽きてしまいます。息子のジュニはただ苦難をひたすら送るのでした。そしてジュニも決断を下すのでした。

ジュニはどうなる?!

信じている父を待ち続けますが、遂に母を失うことになるジュニ。ジュニはひとりになりストリートチルドレンになります。そこで久しぶりの再会を果たします。久しぶりの再会を果たしたのはいったい誰でしょう?!

そしてジュニにはさらにどんな苦難がまっているのでしょう?!

韓国でのヨンス

韓国に亡命したヨンスは駆け込んだ仲間たちが賃貸アパートを借りて、韓国で人並みの生活を始めているにもかかわらず、ヨンスはたった一人で工場の倉庫に泊り込んでお金を貯めています。そして家族のために、沢山の栄養剤を買い込んでいました。そんなヨンス見かねた工場長は「また栄養剤ばかりを買ったのか?送り先も分からないというに・・」と、いつも同じ服で着たきりすずめのヨンスを諭すのでした。

「その服を捨てて新しい服を一式買いなさい。賃貸アパートを借りて倉庫に泊り込まずに。そんなに切り詰めたことをするな」ヨンスは 「自分一人が贅沢しているようで」ヨンスは言うのでした。

仕事を得て働いているヨンスですが、どうするあてもなく絶望の淵に突き落とされてすっかり気落ちしてしまっています。自暴自棄になりかけたその頃に、仲間の老人が「ブローカーをみつけたぞ」との一言にヨンスは残りわずかな希望を託します。仲間が見つけてくれたブローカーは前回とは違うブローカーです。ブローカーは北朝鮮にいる家族を、脱北させてくれるといいます。これで家族を韓国に呼べる。とブローカーに、妻と息子の消息を調べてもらうことをお願いしてブローカーに送金します。「妻は身体の容態も悪く。食料ももう尽いているかもしれない」と消息を早く探してもらうように頼み込みますが、取締りが特に最近は厳しくなっているため動くのがなかなか難しいといいます。

ジュニも国境を目指す

北朝鮮では、母を亡くして一人ぼっちになったジュニは、父の後を追って中国へ行く決意を固めていました。国境を目指してストリートチルドレンとなったジュニは 国境付近でサンチョルの娘ミソンと再会します。ミソンもストリートチルドレンになっていました。ミソンは落ちているわずかな食べ物を無我夢中で食べるほどまで飢えていました。

ジュニはミソンと一緒に、国境越えるために国境付近で知り合った少年に案内されていました。しかしその少年の目当ては、ジュニが持っていたお金だったのです。「金をよこせ!」「嫌だ」と言い合いになり警備兵に見つかってしまいます。

警備兵に見つかった少年はとっさにジュニを売ろうとします。 「脱北しようとしている者がここにいます! こいつの父親も既に脱北しました!」しかし少年は、警備兵にリンチを受けてそのまま死んでしまいます。

「お前ら出て来い!」と警備兵に言われてジュニとミソンは黙って出て行くしかありませんでした。

ジュニとミソンが国境警備兵に見つかりそのまま収容所へ送られました。その頃、ヨンスが依頼したブローカーがヨンスの家を訪ねていましたが、当然家には誰もいません。生活感もまったくありません。ブローカーは隣りの女性に事情を聞きます。

収容所に入れられた2人ですが、収容所では衝撃の連続です。収容所で目にしたもの人間扱いされない過酷な現実でした。妊婦の腹を「どことの雑種だ?!」とお腹を蹴りあげたり「祖国よりも空腹を満たすことが大事なのか!」と子供でも手加減なく蹴り倒されます。

ジュニが「亡命したキム・ヨンスの息子」だということを看守は知ると「お前が反逆者の息子か」と罵倒します。ジュニは「僕の父は反逆者ではありません。将軍様から勲章もいただいています」と勲章を差し出すと「こうした恩恵を受けても、南に逃げるのか?」とジュニの差し出した勲章を投げ捨てジュニを蹴り倒します。

雨が降りしきる寒空のしたで、みんなが寒さと飢えに震えています。ジュニは「死んだ後に、父さんと母さんと会えるってほんと?」ミソンは震えながら「うん、そこはお腹も空かないし痛みも感じない、そんなところだって」と答えます。ジュニは 「でも雨は降ったらいいな」と話をポツリとするのでした。

ミソンは、劣悪環境の中で生活しているうちに背中におできができてしまいました。そのおできが痒くて痒くて仕方がありません。痒がる姿を見かねたジュニが、おできに効くのはねずみの皮というのを聞くと、ねずみを捕まえて、こっそりミソンの背中にねずみの皮を張ってあげます。

ついにミソンが背中が痛くて動けないと訴えます。背中も痛いしお腹も痛い。ジュニはミソンの背中を見て言葉を失います。おできが良くなるように皮を貼ったのに、背中のおできは良くなっていないうえに、ウジまで湧いている・・・。「何かしたの?」とミソンは尋ねますがジュニは「ううん。間違ってなんか」と否定します。

看守の目を盗んで、ジュニはミソンを自転車の後ろに乗せてあげます。ミソンは自転車の後ろで風を感じながら、心地いいと喜び「このまま天に行けたらいいのに」とつぶやき、そのまま息を引き取ってしまいました。

遺体となったミソンは、収容所で物のように引きずられて転がされてしまいます。

韓国では、ヨンスが妻の薬を買うために薬局に向かっています。薬剤師は「結核の薬ならば保健所に行くように。結核なら公費で無料で治療できますよ。」それを聞いたヨンスは、北朝鮮と韓国のあまりの違いに驚きを隠せません。北朝鮮ではお金を払っても薬すら手に入れることすらできないのに、韓国では無料で治療も受けられるなんて。

ヨンスは、ジュニのために、サッカーボール・サッカーシューズを買いに出かけてます。そこへ、ブローカーから報告の電話が入りました。ブローカーの報告で 妻のヨンファの死を知ります。

妻の死を聞いたヨンスは激しく動揺して、その夜浴びるようにお酒を飲みます。「イエス・キリストは韓国だけに住んでいるのか?! 世の中あまりに不公平じゃないのか?神がいるならどうして北朝鮮を放っておくんだ!」工場長相手に怒鳴り散らし荒れます。

ようやくブローカーがジュニの居場所を突き止めることに成功します。収容所の看守に賄賂を渡して、ジュニを収容所から連れ出すことができました。ジュニも国境越えをします。

豆満江の国境の監視兵に賄賂を渡して、見逃すよう手はずは整えました。

ジュニ脱北

無事、国境を越えることが出来たジュニは、現地のブローカーの元で新しい服に着替えて、久しぶりにたらふく食事を食べることができました。

ブローカーはジュニを呼んで携帯電話を渡し「父さんからだ」電話の相手はヨンスです。 父の声を聞いたジュニは久しぶりの父の声を聞いて泣き出します。

「父さん僕が悪かったんです。 父さんとの約束守れなくて・・母さんが・・」ジュニは電話で号泣します。ジュニの声を久しぶりに聞き、息子の口から妻の死を改めて聞かされたヨンスも涙が止まりません。

ヨンス「ジュニ泣くな。心配するな。おじさんの言うことをよく聞けば、父さんにすぐ会えるから。」と励まします。

ジュニ「父さん、すごく会いたい・・」と泣いています。息子の言葉にヨンスも、胸が張り裂けそうです。